東京 神田・神保町へ
筆者の周囲で、アナログレコードの帯の色の話が持ち上がり、
急に思い立って先日、神保町へ中古レコード店に行ってきました。
コレクターは、「色違いの帯のレコードを見つけると、同じレコードを複数枚買う」という話。
筆者はそんなコレクターではないのですが、アナログレコード世代なので、最近どんなもんかと…見に行ってきました。
中古レコード店
神田・神保町周辺で検索すると、10件程度の中古レコードショップを見つけることができます。
どこも11時~開店するお店がほとんどなので、あまり朝早くから行っても意味がありません。
そんな中、唯一10時~開店するのが、富士レコード社。
神保町の交差点からすぐのところにある、ビルの9階にあるショップです。
富士レコード
オールジャンル、クラッシックから、ジャズ、ロック、日本歌謡となんでもあります。
かつての新譜を扱う大型レコード店の様子を彷彿させる店内は、筆者にはとても懐かしい感じでした。
33回転のLP盤、45回転のシングル盤、そして78回転のSP盤も数多くありました。
SP版はオリジナルのジャケットはありませんが、タイトルや曲名などが書かれた紙袋に入り、店頭に並んでいます。
※こちらのお店、オールジャンルですが特に昭和歌謡が充実していると感じました。
雑談
エレベーターを呼ぶボタンは、パイロットランプが点灯するまで7~8秒押し続けなくてははならないとか、「扉を開けるときにものすごい音がする!」など、何か古い建物の面白さもあり、すっかり神保町ウォークのとりこになってしまいました。
ビクトローラ(米国ビクターの蓄音機)
お店の方のご厚意で、蓄音機でSP盤の音を聞かせていただきました。
いまだ、ナガオカが針を製造しているとのことで、蓄音機は現役。
サイドの手回しのゼンマイ?のようなものを巻いてから、鉄の針をレコードに落とします。
よくある朝顔のような形のホーンではなく、蓄音機本体の箱の中にビルドインされた形状の
ホーンによる音は、とてもウォーム。電気は全く使用していないのに、しっかりと十分な音量でした。
SP盤は、LP盤に比べると若干小ぶりな大きさですが、収録できる時間は5~6分程度と見た目の割には短く、あっという間に終了。78回転と高速に回すのですから、音質的にも有利なのでは?と勝手に想像しながら、楽しませてもらいました。
ビクトローラには、蓄音機に耳を傾ける犬のマーク(His Master’s Voice)のロゴがついていました。日本のビクターのロゴマークと同じです。
アナログレコード?
レコードの音声は、デジタルソースと比較対象されますが、基本は、RIAA変換をかけた音声信号を、レコード盤に物理的に刻みこんだものです。
再生には、phonoイコライザをかけて元に戻し、パワーアンプを通して再生します。
phonoイコライザは、最近のプリアンプには内蔵されていないので、代わりにターンテーブル側にイコライザを内蔵したものが多く売られているようです。
レコード盤に物理的に刻み込むのですから、デジタルでいうとこのサンプリング周波数という
概念はありません。とにかく連続的に音声信号が刻まれており、それを再生するだけです。
ノイズの点ではデジタルに譲りますが、音質的にはとても味わいがあります。
「原音に近いかどうか?」という話になれば、デジタル・アナログのどちらが近いか?という議論はきっと尽きないのでしょう。そういう話は置いておいて、アナログレコードには独特の音質があります。
例えば、「マーシャルアンプから出力されるギターの歪んだ音がいい!」というようにそもそも歪んだものを評価するなんて感性的で難しいわけですが、そういう概念に近いところがあるように思います。
まとめ
筆者の頭の中では、「アナログレコード」=「もはや入手しにくい」という図式があったのですが、こうして神保町を歩いてみると、まだまだ「アナログレコード健在!」と感じたのです。
そしてレコードジャケットって、大きくて迫力ありますね!
また、国内版には当時の独特のコメントややや強引?な日本語タイトル付け、安易に英語をカタカナ化しないところも面白い。
レコードが聴けるターンテーブルとアンプスピーカーを用意して、
再び神保町へ出かけるのを心待ちにしています。
※「レコードをmp3に圧縮してiPhoneで聞く!」なんてナンセンスです。
是非、レコードから直の再生音を楽しみましょう。
富士レコード社はこちらです。