アニサキスとは?
主に魚の内臓に潜んでいる線虫類で、誤って生きたものを食べると胃や腸などで激痛を発するというやっかいな生き物です。
一旦、熱処理したり、完全に冷凍したりすれば、危険は回避できるそうですが、生で食べたい場合には絶対に口に入れてはいけないものです。
どうやって除去している?
厚生労働省では、-20°Cで24時間の冷凍、もしくは、70℃以上または60℃ならば1分の加熱を指導しています。
ということは、よく市場などで完全に冷凍されて競に出されているマグロなどは、あまり心配しなくてよさそうです。
また、アニサキス類は、主に魚の内臓部分にいるそうですが、魚が死んで鮮度が下がると、内臓から身(筋肉)部分に移動するのだそうです。
その結果、やや鮮度の下がった魚など、特に釣ってもって帰ってきた魚は注意が必要です。
UV光を利用した目視?
紫外線を身の上から照射することにより、内部に潜むアニサキスが発光し、容易に発見することができるのだそうです!
業務用の製品が発売されており、おそらく加工業者でも多く使われているものと思われます。
食品業界でも、店頭の商品からアニサキスが頻繁に見つかるようなことがあっては売り上げに大打撃となってしまうだけに、こうしたチェックは行われているようです。
しかしながら、こちらの講演資料によりますと、アニサキスの検出はそう簡単ではないようです。
よくイカで当たった!という話を聞きますが、やはりイカの身が白っぽいというのもあるのでしょう。
また、透明でない身の魚の場合には、中に深く入りこんだものは、紫外線を照射しても光が届かず、検出が難しい場合もあるそうです。
そして、さらに興味深いことには、紫外線に反応しないアニサキスの種類もあるんだとか…。
釣り好きには…
釣り好きの方には、アニサキスは死活問題です。
普段は、鮮度が良いということだけを頼りに、釣った魚を調理してお刺身にして食べるのです。
筆者も、きれいな海で釣れた魚は、よくお刺身にして食しますので、なんだかちょっと怖いです。
ブラックライトを当ててみる?
こうした実験をされている方がいらっしゃるようですが、一般に売られているブラックライトでも、ある程度はチェックすることはできるようです。
370nm辺りの波長を使い、可視光をある程度遮って検査する必要があるようです。
但し、身の奥に潜んでいるものや、身があまり透き通っていない魚などは、なかなか見つけられません。
新鮮なうちに内臓を除去してしまうというのも1つの方法です。
ブラックライト(紫外線ライト)の波長
いろいろ調べてみますと、おおよそ400nm以下の可視光より短い波長を紫外線と言っていますが、製品によって、可視光が多く含まれているライトや、波長のピークがさまざまあることがわかりました。
また、ブラックライトを利用した日常役立つ利用方がいくつかあるようです。
- 紙幣の鑑定
- レジンの仮止め(硬化)
- ペットの糞や汚れのチェック
- ルアーなどの蓄光素材への蓄光
- 野外でのサソリの発見
※あまり日本では必要がなさそうなものも含まれていますが…。
用途により、適した波長の製品を選ぶのがよいようです。
先ほど紹介した講演資料によりますと、たとえば、サバに紫外線を照射したときに、サバの身は光らず、アニサキスには反応する波長を調べると、370nm付近がよいのだそうです。
※370nm付近が万能か?というとそういうわけではありませんが、この辺りを利用される方が多いようです。
日亜のLED?
LEDの製造メーカーとして有名な日亜化学工業から、365nm, 375nmをピークに出力するLED製品があるそうで、こちらを部品として利用しているブラックライトが人気のようです。
amazonなどで調べても、ピンキリでたくさんの製品がありますし、実際にどの波長の紫外線が出ているかは、買ってから検査のしようがありません。上記のようなパーツを利用しているかどうかで選ぶのも1つの方法と思われます。
内蔵されているLEDの数、電池の種類、UV-LEDパーツの種類によりかなり値段の幅があります。
まとめ
刺身のアニサキスのついて調べながら、ブラックライトの用途についてまとめてみました。
・目や肌に有害な波長だけに、紫外線の取り扱いには十分にご注意ください。
・ブラックライトを照射して調べたからとはいえ、1匹残らずアニサキスを発見して除去できるというものではありません。(紫外線に反応するものは、格段に見つけやすくなるというものです。)
ブラックライトは、特定の汚れの発見など、日常でも意外な使い方があることがわかりました。