zoomで楽器音を高音質で配信してみる

zoomで楽器音がきれいに伝わらない!

緊急事態宣言や屋外での活動自粛の中、おうちタイムが長くなっています。

そんな中、本来会議システムなどに使われるzoomが、飲み会や、チャット、その他様々なことに利用されているようです。

筆者の場合は、zoomで楽器音(アナログ楽器やミキサーの出力等)を高音質で配信しようとしていろいろ試してみたのですが、なかなかうまくいきませんでした。

これまでにいろいろとやってみた方法を参考までに紹介します。

音が途切れたり、低音が出ない…

原因としては、通信系の問題と、オーディオ系の問題が考えられます。

1)通信の問題

家でインターネット接続をする場合、多くの方が家庭のインターネット接続環境を利用していると思います。いわゆる光インターネットであったり、ケーブルテレビの回線を利用したりするものです。
そして最近はほとんどの方が、宅内ネットワーク接続としてWifi接続を使っていると思います。

マンション内や戸建てへの引き込み線などの幹線ネットワーク品質は、簡単に向上させるのは難しいので、家庭内のWifiについて実験してみました。

接続は以下のような感じになっています。(ちなみに我が家は、マンションタイプのフレッツ光です。)

光ケーブル等から引き込まれた幹線 ⇔ モデム ⇔ ルーター&Wifiアクセスポイント ⇔ PC

いろいろやってみてわかったことは、

  • Wifiアクセスポイントと、PC/スマホは数m程度まで近づいたほうが通信速度が速くて安定
  • 5G/2.4Gの両方のアクセスポイントを使っている方は、それぞれ速度テストなどを実行してよい方を選ぶ
  • 有線接続が可能であれば、その方が高速

意外とアクセスポイントとPC間の距離によって、速度が大きく変化します。

さらに古いルーターや無線LANアクセスポイント、ハブを使っている方は、上のランクのモデルにアップグレード
スマホやPCは比較的買い替えられているのに、ネットワーク機器は古いままだったりします。ここは是非見直してみてください。かなり通信速度が向上し安定します。
モデムの後段に接続するハブなどは、Giga-bit Etherにした方が家のネット全体が早くなります。

2)Zoom側のオーディオ設定の問題

ご存じの方も多いと思いますが、アプリの設定で「オリジナル音声を有効にする」にして利用してください。
一般に会議システムは、「しゃべり言葉だけを確実に伝える」ことを中心にしてさまざまな処理が行われています。無音状態を検知してノイズをカットしたり、途切れがあっても音声データが到着次第順次再生したり…レベルが高すぎる場合は音量カットしたり…。
音楽な流れてきたときには、レベルによってぎくしゃくしたり、テンポが変わったり、あまり良いことがないようです。

これらの処理を止め、オリジナル音声にすることによって、音楽や楽器演奏を流してもだいぶいい感じになります。

PCの場合は以下のようになります。「自動で音声を調整」のチェックを外しておきます。


【図1】

さらに、上記オーディオ設定の右下の方にある詳細ボタンをクリックした後、「ミーティング内オプションをマイクからオリジナルサウンドを有効化に表示」にチェックを入れておきます。

これで、ミーティング画面上にオリジナルサウンドのON/OFF切り替えボタンが表示されるようになり、同時に今の設定状態をミーティング画面上で常に見ることができます。

【図2】

「オリジナル音声を有効にする」設定は、PC版でもスマホ版でも指定することができますが、スクリーン上に切り替えボタンを表示することができるのは、今のところPC版のみのようです。

3)入力レベル調整

デバイスへのレベルが大きすぎると伝送される音声は歪みます。ほどほどの大きさに絞るべきですし、小さすぎればノイズに埋もれます。
Android版、iPhone版のzoomアプリには、この調整スライダーがありません。現状のバージョンではPC版のみの機能のようです。

もちろん、デバイス(PCやスマホ)への入力の大きさを、楽器などの機器側で絞ればよいのですが、デバイスによってどのような処理をされているのか機器依存です。ここは、アプリで調整のできるPC版のzoomを使うのがよさそうです。

楽器などの機器側とアプリ側の両方で入力レベル調整を行い、音質が最も良くノイズの少ないレベルを探ってみてください。

PCとのライン接続には、通常、下記のようなY分岐ケーブルで、4端子のヘッドセット用ジャックからマイク入力を一旦取り出します。

楽器やミキサーなどの出力ケーブルは、一般的に6.3mmの標準ジャックになっていますので、下記のような3.5mmのモノラルジャックに変換して上記マイク端子に入れます。(PCのマイク入力はモノラルです。)

4)マイクで音を拾うか?それともラインで入力するか?

「PCのマイク端子に電子楽器をラインでつなぐか?それとも一旦マイクで収音して入力するか?」

楽器 → (ジャック変換 → Y分岐 →) PCのマイク入力
アナログ楽器 → マイクで収録 → マイクアンプorミキサー → (ジャック変換 → Y分岐 →) PCのマイク入力

よほど高級なマイクとマイクアンプ、そして収録環境がない限りは、ラインで機器から直接 PCにつなぐ方が音質的にも有利です。

また、楽器音だけでなくトークのためのマイク音声も入れたい場合には、いったんミキサーを通してミックスしてからデバイスに入力する必要があります。

楽器 & マイク → ミキサー → (ジャック変換 → Y分岐 →) PCのマイク入力
いくつか関連製品を参考までに紹介します。
こちらは音楽配信用のコンパクトミキサーです。
こちらはスマートフォン用として発売されているミキサーです。

5)PCのマイク端子を使うか?それともUSBオーディオインタフェースを使うか?

PC基板に最初からついているA/D変換回路を使うよりも、もちろんちゃんとしたUSBオーディオインタフェースを使ったほうがおそらく音質的には有利です。

こればかりはPCのオーディオ回路に依存しそうですね。ここは予算の許す範囲でチャレンジしてみてください。

総括

あくまで筆者の経験からですので、読んでいただいた皆さんの環境がそっくり当てはまるというものではありません。参考までということでまとめました。

  • Wifiのアクセスポイントからあまり遠ざからない場所で
  • 必要ならネットワーク機器をグレードアップ
  • zoomはオリジナル音声は有効にして使う(音を出す人は全員)
  • マイクよりはライン

    • マイクを使うならマイクやケーブル、ミキサーはある程度良いものを使う
  • 予算があればオーディオインタフェースをアップグレード

ネットにしてもオーディオにしても、どこかに品質を落としてしまうボトルネックとなる部分がありそうです。
1つ変えてみることで、ガラッと変わる場合があります。

ネット品質であれば、大元に使っているハブであったり、オーディオであれば接続ケーブルであったり…。
試行錯誤の中で、あなたの環境のよりよい設定を見つけ出してみてください。

遅延については、現在のインフラではどうしようもありません。ライブといってもどうしてもタイムラグが発生します。zoomで各地に離れたメンバーとセッションなどができたらとてもうれしいのですが、ちょっと技術的にはまだまだ難しそうです。

※家が細長い…隅々までWifi電波が届きにくい場合には、アクセスポイントもアップグレードをおすすめします。

 

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